なぜ、日本のプレーヤはプロになると弱くなるのか

 あまり知られてはいない事実だが、日本の高校生のスポーツのレベルは非常に高い。これは選手層の厚い野球だけでなく、サッカーやテニスもそうだ。しかし、プロになるととたんに海外選手にかなわなくなる。
 これは海外選手が18歳から24歳ぐらいの間に急激に強くなるのに対し、日本人は伸び悩んでしまうからだ。特にサッカーなどは海外選手はものすごく成長する。だからサッカーではアンダー21という制度があるのだ。これはこの年代では1年ごとに大きな実力差がある事を意味する。こうした理由を以前、我々は体格のせいだと推測していた。すなわち、海外選手が20代前半で大きくフィジカルが進歩するのに、日本人は成長が止まってしまうからだと考えたのだ。
 しかし、最近ではもっと他に理由があるのではと疑っている。それは日本人の思考パターンだ。日本人は言われた事は素直にこなすが、自分で率先して努力する事はない。したがって、スポーツにおいてもコーチが通用する高校生レベルではコーチに良くしたがい、速く上達する。しかし、プロになればもはやコーチでも未知の領域であり、簡単にはアドバイスはできない。ここまで来ればもはや頼れるのは自分だけなのだ。この様なときに日本人は全く無力になる。自分で考える努力を怠ってきたからだ。
 実はこうした傾向はスポーツだけではない。例えば、日本の高校生の学力は極めて高い。しかし、これが大学レベルの研究になると欧米にはまるで勝てないのだ。これはすなわち、習った事は正確にできるが、自分で何かを開発する能力が欠けている事を意味する。
 社会に出てもこの傾向は顕著だ。日本は工場労働者や技術者のレベルは高い。彼らは良く努力をするからだ。しかし、経営能力は驚く程低い。これはビジネスのノウハウなど教えてくれるコーチがいないからだ。経営コンサルタントは驚く程質が低く、事実上、詐欺と言って良い。この様な状況で自ら経営ノウハウを開発できる人間は日本にはいないのだ。したがって、日本の電機メーカはAppleなどに対抗できないのだ。
 このブログでは自分でテニスの技術を工夫する事を推奨してきた。アマチュアレベルではこの様な努力は意味が無いかもしれない。なぜなら、コーチの意見を聞いた方が早いかもしれないからだ。しかし、自分で工夫する努力の経験は社会に出てから大きくものを言う。社会の仕事はイレギュラーの連続であり、誰も正解など知らないのだ。それは自分で考えるしかないのだ。それができない人間はマクドナルドの店員の様にマニュアル管理され、低賃金で利用されるだけだ。これが社会の法則なのである。

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