フォアハンドストロークの矯正法

 フォアハンドストロークは多くのプレーヤが最も得意とするショットであるが、自由度が高いため、最もトラブルが起こりやすいショットでもある。フォアハンドストロークが安定しない場合、どうすれば良いのか?大抵の場合、コーチにアドバイスをもらう。しかし、状況は改善せず、完全にスランプに陥る。そして、テニス自体をやめる羽目になるのだ。
 実はテニスコーチにはトラブルを解決するクリニックとしての能力は無い。従って、アドバイスを聞けば、状況は悪化するだけである。もし、あなたがコーチにアドバイスが欲しいと思ったら、それは「死亡フラグが立った。」と思って良い。テニスを辞めるまでにあとちょっとまで来ている事を意味する。
 ここではこうした場合、自分でトラブルを解決する方法を記述する。大抵の仕事もこれと同じだ。トラブルは他人には解決できない。誰も他人の仕事にまで詳しくはないからだ。先輩などに聞けば状況は悪化するだけである。先輩だって自分の担当以外はよく分からないのだ。
 フォアハンドの矯正は以下の様に行う。基本ができていなければ、そこから行う必要がある。基本が問題なければわずかな微調整で問題は解決する。

1. 基本はウエスタングリップとオープンスタンス。―――多くの初心者はまず基本からできていない。フォアハンドストロークの基本はウエスタングリップとオープンスタンスである。ほとんどのプロや上級ジュニアプレーヤはこのフォームを採用している。スクールで教わるイースタングリップとスクエアスタンスは実践ではほとんど役に立たない。この基本を実行するだけで多くのプレーヤのスランプは解決する。

2. グリップを最適化するとフォームが安定する。―――グリップはウエスタンが基本であるが、人によって骨格は異なる。そのため、他のグリップが有効な場合もある。この場合、グリップをわざと厚くしたり、薄くしたりして試し打ちをすると良い。フィーリングが合うグリップがあればそれを採用する。おおまかに調整すれば、微調整は体が自然にやってくれる。大事な事は上手く打てるグリップを目で見て確認し、憶える事だ。次からはこのグリップでやれば大幅に上達する。

3. スピン量の調整をするとボールを安定化する方法が分かる。―――フォームに特に欠陥がない場合はスランプは調整力の問題である場合が多い。この解決のためにはトップスピンの量を意図的に変化させる練習をする事だ。例えば、強力なスピンを掛けてネット際にボールを落とす。あるいはフラットでベースラインぎりぎりを狙う。こうした調整力を強化すれば、ボールが安定しない時でもフォームをどう微調整すれば良いかが感覚的に分かる様になる。従って、スランプにはならないのだ。こうした調整力の強化法は他にもコーチにわざとスピードボールを打ってもらう。あるいは、振り回しをしてもらい、崩れた体勢でボールを処理するなどがある。

4. 細かい癖の修正にはこだわらない。―――上記の事をやっても多少の癖は誰でも残るものだ。完全にコーチなどとフォームが一致する事はない。しかし、これはそれ程気にする必要は無い。プロでもフォームには癖がある。フェデラーとナダルではフォアハンドストロークのフォームは全く異なる。これは人間の骨格が人それぞれだからだ。テニス雑誌ではバックスウィングの形までこだわるが、そうした些細な事はショットの質に影響しない。むしろ、こうした些細な事にこだわると、そこから調子を崩し、スランプになる。多少の癖は個性として受け入れる事が必要だ。

 こうしたノウハウが我々に存在するのは初めから上手に打て、スランプなど経験した事のないコーチと異なり、初めは全く上手く打てない状態からトレーニングを工夫する事によって上達してきたからだ。コーチは運動神経が悪いが、知能が高い者が苦労して上達した結果、成るべきなのだ。でなければ運動神経の悪い者がなぜ上達しないかが理解できない。残念ながら実際のスクールにいるコーチは筋肉馬鹿で、何も考えずに上手くなった者ばかりだ。従って、他人の指導などできる訳はないのだ。

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