パターン練習の重要性

 スクールによっては行っている所もあるが、多くのスクールでおろそかにされているのがゲームのパターン練習である。これはゲーム中の特定の状況を再現し、それに対応する練習をするものだ。特にダブルスではコンビネーションを確認するために行う。ダブルスはチームプレーなので、連携が悪ければ機能しないからだ。
 しかし、現実にはこの練習を全くやらないスクールもある。野球では守備のコンビネーションは必ずやるのにである。そのため、後衛が前衛アタックを多用しているのに、味方の前衛がネットにベタ詰めなんて事が良くある。これでは相手のスローボレーでもオープンスペースの前衛の背後を狙われてしまう。これを防ぐために後衛がストレートアタックを控えれば、今度はポーチの餌食になる。前衛はまたしてもネットに詰めすぎているために相手ボレーに対応できない。
 この様な場合を想定し、コーチがパターン練習を行う必要がある。これはコーチが指示しなければ上手くいかない。生徒同士で命令する事は失礼になるからだ。また、練習自体を行わなければ意味は無い。行わない練習に対応する事は不可能だからだ。
 こうした事を指導できないのは実はコーチも戦術をあまり理解していないからだ。こうした戦術に関する記述はテニス雑誌や書籍には存在しない。例えば、最近でも岩渕プロの書籍を購入したが、極初歩的な戦術しか書いてなかった。明らかに日本のプロはダブルスの最新の戦術に対応していない。プロでもこの程度なのだから、コーチが対応できる訳はないのだ。
 残念ながら今回は問題を解決する方法を提示できない。完全にコーチの管轄にあるものは個人の努力ではどうする事もできない。こうした不満は企業でも良く体験する。例えば、経営判断がまずくても、一社員では逆らえない。そして、企業の業績が下がれば、リストラの対象は社長ではなく一般の社員なのだ。
 世の中は理不尽が横行している。それでもできる範囲で努力するしか方法はない。我々の努力は成功の確率をわずかに上げるだけで、成功のほとんどの部分は運に過ぎないのだ。錦織選手だってマイケル・チャンに会わなければ世界ランク100位ぐらいをうろうろしていただろう。努力には限界がある。それを知るのも人生なのだ。

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