Nitto ATPファイナルズ総括
今年のATPファイナルズで錦織選手は予選ラウンドで敗退してしまった。初戦でグループの中では最も強いと思われていたフェデラーに勝ったのにである。フェデラーが敗北したのは決勝トーナメントを意識し、フラット打法にこだわっていたからだ。しかし、錦織選手に敗北した後は完全にコートとボールにアジャストしていた。どうも今回のボールはフラットでもスピンでもハードヒットが難しい様だ。その証拠に強力なスピンをかけるティエムもミスが多かった。
フェデラーは適度なスピンをかけ、極端な強打は避けて、プレースメントで勝負をしていた。考えてみればフェデラーはこの様な経験を何度もしている。ウィンブルドンではコートサーフェスが荒れて、ボールコントロールができず、強打が不可能な場面もあったし、2014年ぐらいまでは遅いコートでナダルやジョコビッチと死闘を繰り返してきた。それに比べれば、今回の状況はそれほど深刻ではないのだ。
一方で錦織選手は最後までボールに合わなかった。これは初戦でフェデラーとの強打の打ち合いで勝ってしまったからだろう。錦織選手は強打を避けるという発想にたどり着かなかった。ただ、ティエム戦ではかなりストロークは安定してきていた。ティエムもミスが多かったので、サービスさえ良ければ勝てる可能性もあった。しかし、サービスの調整は最後まで上手くいかなかった様だ。この辺りは経験豊富なフェデラーの方が一枚上手の様である。
この時点ではまだ決勝トーナメントは行われていないが、コートとボールの性質を考えれば、ジョコビッチが最も有利だろう。遅いコートでプレースメントの勝負になれば、正確なショットと優れたフットワークを持つジョコビッチが勝つだろう。しかし、フェデラーも大幅にフットワークが回復しており、3セットマッチなら十分体力が持つ。フェデラーがサービスの調子が良ければ、ジョコビッチはブレークのチャンスがないかもしれない。決勝戦は面白くなるだろう。しかし、錦織選手の試合はここで終わりなのだ。
この記事へのコメント
決勝戦でズべレフがジョコビッチのセンターに深い球をひたすら返し続けるパターンが多かったと思ったのですが、
あれは初出場、21歳のズべレフが考えついた作戦ではなく、コーチ陣がジョコビッチ対策を完璧に仕上げていたのでしょうか?毎回スロトーク数が多くなり、ぜいはぁしながら、ジョコビッチが少し立ち止まり、25秒以内に打たなきゃ!ってつぎのサービスする姿も印象的でした。
今後も、いろんな解説を読むのが楽しみです。